若林城跡
JR仙台駅の東南約3㎞の若林区古城には、現在宮城刑務所がありますが、ここに、その昔若林城というお城がありました。建造したのは仙台藩の初代藩主伊達政宗公で、仙台城築城後の寛永5年(1628年)に造営され、寛永13年(1636年)まで約8年間をこの城で過ごしました。政宗の死後は廃され、仙台城二の丸などに移築されたといわれています。
この辺りは「若林古城」と呼ばれ、現在の若林区の名称のもととなっています。城の周辺には、東北でも有数の規模を誇る遠見塚古墳をはじめ、古代には陸奥国分寺や国分尼寺が造営されていたなどから、この地が古くから仙台地方の中心であったことが窺われます。中世には、有力者の城館や屋敷が複数あり、近世になると「御仮屋」「小泉屋敷」という伊達家の別荘が造られました。
この地は、戦国期には国分氏が治めていましたが、延宝年(1673から1681年)の「仙台領古城書立之覚」には、付近に二つの「古城」があります。また、元禄・享保年間(1688から1736年)の「東奥老士夜話」によれば、若林城はこのいずれかの場所に築かれたとされています。幕府の許可を受けて立てられているため、「屋敷」として造営されたものです。