北寄貝
北寄貝は大型で、ハマグリを大きくして厚みを持たせたような形をしています。殻の色は黄色(老成すると黒)の殻をかぶり成長輪脈があります。身の色は灰白色をしていますが、加熱するとピンクになります。外洋性で、鹿島灘以北、北海道周辺、オホーツク海、日本海北部、シベリア沿岸の比較的浅い砂底に棲んでいて、成長するのに時間がかかります。
旬は冬から春で、福島から宮城県南岸、北海道、青森が主産地ですが、三陸ものは、味かよく上ものとして扱われています。通称はホッキガイですが、学問上の名称は「うば貝」といいます。シコシコとした歯ごたえがあり、特に薄い紫色の足の部分がおいしいといわれています。グリコーゲンなどのエキス分を多く含み、身、貝柱ともにうま味があります。
宮城県南部や福島県の浜通りでは、ホッキ飯が特に有名です。また、寿司ネタとしても珍重されていますが、天ぷら、刺身、塩焼き、吸い物、ホッキミソのほか、加工品として水煮缶詰や乾燥品などもあります。宮城県でも古くから漁獲量を取りきめるなど資源の有効活用に努めていますし、最近では、人口種苗生産による増殖事業にも取り組んでいます。