上品山(じょうぼんさん)
国道45号線を石巻市内から旧河北町に向かい北に走ると、右手に見える屏風状の山が上品山です。山頂付近に見えるドーム状の建物は、国土交通省の航空路監視レーダーです。標高467mの山頂付近は木が生えていないため、広大な上品山牧場となっていて、そこは何も視界を遮るものがないものですから、北上平野と海が望める一大パノラマになっています。
林の中の曲がりくねった道を登っていくと、突然視界が開けます。牧草地に出ると、目の前に雄大な北上平野がはるか遠くまで見え、その先に船形連邦も見えます。右に大きく蛇行する北上川(追波川)と左に流れる旧北上川、そしてこの豊かな田園風景を眺めると、江戸時代以降、営々と北上川の改修工事に励んできた先人の奮闘ぶりが偲ばれます。
初夏には、平野がまるで水に浸っているような景色になります。反対側に回ると、今度は景色が一変し、万石浦が見渡せます。山頂には久集比奈(くすひな)神社が鎮座していますが、あとは、全てが牛達の縄張りといった感じで、彼等がのんびりと草をはむ姿もまた、景色の雄大さに負けないくらいの存在感がありますので、心も和む景色がお勧めです。