バッケ(フキノトウ)みそ
江戸時代の天明、天保年間に大飢饉が起こったとき、木の葉や草の根を食べましたが、「味噌を用いないで食べると毒にあたる」という教えが広がりました。そこで、木の葉や草の根をみそで調理して食べたところ、人命が救われたという記録が方々に残されており、江戸の昔から、みそがいかに重要な食料であったかをうかがいしることができます。
それ以降、野草や山菜などをみそとともに食べるようになり、次第になめみそ(生みそ)から、練りみそに発展したしたのではないかと考えられています。そして、季節ごとに香りのよい食材を用いた練りみそが今に伝えられています。その代表格が「バッケみそ」です。「バッケ」とはフキノトウのことで、県北では「バッケェ」と呼ばれています。
フキノトウとは早春にフキ(葉柄)が伸びる前にでるつぼみで、冬の体毒を消すものとして親しまれています。地面につぼみが出て花が咲くので、正体が分らないことから、「お化け(バッケ)と呼ばれたという説がある。山菜の中でも特に苦味とアクが強いので、その野趣に富んだ味を生かしたみそが好まれ、クルミの入った「バッケみそ」が生まれました。