埋木細工(うもれぎざいく)
仙台の特産品の一つとして知られている「埋木細工」は、石炭になる一歩手前の素材を使って、盆、銘々皿、茶托、ブローチなどつくる伝統工芸品です。この素材である埋木は、遥か古代から眠っていたものが、江戸時代の文政5年に発見されたものです。発見したのは、当時仙台藩の足軽で山下周吉という人で、これを何とか活用しようと考えました。
思考錯誤をしながら、ものを置く際の台にする皿のようなものを作ったのが、「埋木細工」の起源と言われています。それから次々に茶器や銘々皿、ブローチ、お盆などといった工芸品が作りだされ、そのうちに足軽たちの内職として、この「埋木細工」が広まっていきました。以来180年間にわたり代々人の手によって受け継がれ、現在に至っています。
木の目を生かした作りで、漆を塗って研き上げられると軟らかい光沢がでて、気品と荘厳な雰囲気を醸し出す。現在では採取されなくなった希少な「埋木」の一枚木を贅沢にくりぬいて形にしていくこの「埋木細工」は、宮城県知事の指定伝統工芸品になっているほどで、全国でも珍しい仙台の特産品です。仙台箪笥との組み合わせもいいかもしれません。