仙台芭蕉菜
仙台芭蕉菜は、仙台白菜、仙台雪菜、仙台曲がりねぎなどと共に、仙台の伝統野菜の一つに数えられています。昨年の東日本大震災では、仙台の野菜栽培も被害を受けましたが、江戸時代からの伝統野菜「仙台芭蕉菜」が仙台の農業を盛り返すため、そして、子供たちの思いでの味にと、今後の展開がますます期待されているところです。
芭蕉の葉に似ているところから名づけられた芭蕉菜は、黄緑色の大きな葉が特徴で、そっと湯に通すと、驚くほど鮮やかに色に変わります。次に硬くしぼって麺汁とともにビニール袋に入れて、30分から1時間ほど浸すと、即席漬けができあがります。肉厚の葉や、シャキシャキした柔らかい茎から出た汁は、ほのかな甘みと爽やかな苦味がたまりません。
タカナの仲間である「芭蕉菜」は、東北から北関東で栽培されているため、それらと区別するため仙台芭蕉菜と呼ばれています。江戸時代、明治時代には漬菜として栽培されていましたが、白菜の普及に押される形で、現在は一般には殆ど流通していませんが、晩秋から春先が旬なので、オールドフアンにとっては、一日も早い復活が望まれるところです。