ムサシがいたから
この時期になると、本来なら春が待ち遠しいはずなのに、あまりそういう気分になれないのには3つの理由があります。一つは、春になるとある忌まわしい花粉がやってくるからです。二つ目は、春一番が吹くころの寂しいイメージが心に残っているからです。そして三つ目は、4月13日(ムサシの命日)が近づいてくるからだと思うのです。
普段は、いつでもムサシと会話ができるし、どこへ行くにも一緒なので特に悲しいとは思わないのですが、4月か近づくとあの悲しい出来事がリアルに甦ってくるからでしょうか。今年は特にあの大震災で亡くなった多くのワンちゃん達のことと重なっているせいか、冬がもうしばらく続いてくれた方がいいと考えてしまうこともあります。
それでも、当のムサシは相変わらずのポーカーフェイスで、私の悩みを丸ごと受け止めてくれます。環境に逆らうのではなく、自然に受け止めて自分流にアレンジしてしまう技術というか度量のようなものは、我々人間には中々まねることはできませんが、ムサシ的発想を理解しようと思うと、意外に世界が広く見えてくるから不思議です。