9ヵ月ぶり再開(その2)
ジャキ君を保護してくれたのは、近くに住む菅野長徳さんという人で、自宅近くで泥だらけの犬を連れた青年に、「犬が離れないので困っている」と相談され、その場で引き取ったそうです。菅野さんは、それまで犬を飼っていましたが2ヵ月前になくなってしまったので、犬小屋や餌が残っていた。海の方から来たため、飼い主は津波でなくなったと思った。
そこで菅野さんはジャキ君を飼うことにし、名前も仁(じん)と名づけましたが、この名前は工藤さんの焼き鳥店の名前だったというのも何かの因縁でしょうか。菅野さんは、工藤さんとジャキ君が再会した時、これまで聞いたことのないような甘えた声を聞き、「工藤さんが本当の飼い主に間違いないと確信しました」と話しています。
工藤さんは、ジャキは死んだとばかり思っていた。いい人に巡り会えて幸運だった感謝している。元気に散歩しているジャキ君の姿を見つけた時、工藤さんはどんな思いだったのでしょうか。わが家では早速ムサシにこの話をしたところ、深く感銘を受けたようでしたが、無言のままただ頷いているだけでした。この奇跡がにわかには信じられなかったのかもしれません。