さとはま縄文の里
東松島市にあるさとはま縄文の里「史跡公園」には、「奥松島縄文村」「貝塚観察館」「縄文工房」「東や(展望台)」「展望デッキ」「製塩遺構」などが整備されており、縄文人の暮らしぶり知ることができるとともに、体験学習もできる広大な施設です。世界遺産には指定されていませんが、宮城県では強く要望している地域です。
公園内の施設の一つである「貝塚観察館」に展示されているのは、里浜貝塚西畑地点の貝層の断面で、およそ2500年前のものだということです。断層からは、斜面に捨てられたアサリなどの生ゴミが細い縞のようになっています。貝や魚骨の詰まった層は春から夏、土の多い層はおおむね秋から冬の季節を示していることまで解るのだそうです。
貝塚を掘ると、たくさんの貝殻や動物の骨などの食べかす、壊れた道具などが出てきます。なかには、ていねいに埋葬された人間や犬の骨なども見つかるという。縄文人にとって貝塚は、全てのものを埋葬するお墓だったのでしょう。亡くなった人のみならず、自然の恵みや道具にも感謝し、供養する「送り場」だったことを窺い知ることができます。