あっという間に出来上がったネッワーク
一人の女性の献身的な行動が次々に女性たちの心を動かし、「公助」「共助」「自助」のネットワークがあっという間に出来上がってしまいました。避難所に指定されている第二管区海上保安部は、建物も頑丈であるため大きな安心を提供してくれましたが、避難所の運営はお互い無案内であるためか情報が錯綜してもどかしい限りでした。
一旦避難民となってしまうと、「自助」の精神を置き去りにしたまま、不満だけが募るのが常だと思うのですが、そうした身勝手な心に強烈な反省を促したのが彼女たちの行動でした。始めは「自助」の域を出なかった行動が、近隣の人との「共助」に繋がり、やがて「公助」とも融合し見事な連携プレー体制が出来上がっていったのでした。
一旦自分が担える役割を認識すると、次々に周りの状況が見え始め、新しい発想が生まれるのか、災害対策本部への要望もリアルタイムで的確に伝えられるようになり、全く予期せざる出来事であるにも関わらず、モラルを踏み外す人は現れませんでした。これらの女性たちの活動は物質的なものにとどまらず、すさんだ心に希望の灯をともしたようです。