復興には知恵と行動力が不可欠
親の教育方針には大きく分けて二つ方向があるような気がします。一つは清く正しい生き方を教えるという方針と、もう一つは強く逞しい人間に育てるという方針です。わが家にはそうした明確な哲学などありませんでしたが、どちらかというと後者の方に近かったと思います。しかし、今回の大震災で少し胸を張れそうです。
結果オーライだと冷やかされるかもしれませんが、わが家の息子達は、死の恐怖にさらされながらも、とっさの判断と積極的な行動力で家族を救ってくれました。未曾有の光景に困惑しきっている警察官を一喝するなど小気味よい行動は、被災した多くの人々に勇気と希望を与えたとすれば、親としてとても正直誇らしく思います。
二男などは、津波警報がとけてまもない時期に、どこをどうやって通り抜けてきたのか、石巻から塩釜の実家に表れ食べ物などを届けてくれました。普段はさながら粗大ゴミと同格のような存在と思われている彼が、今回はがぜん本領を発揮し、次々と的確にものごとを決めて実行しています。それがまた、一々理にかなっているからおかしいのです。