復興に向けての第一歩
店はお客様のためにあるものですから、いつまでも嘆いているだけでは何の解決にもなりません。重い心と体に鞭打ち、浸水した店の片づけ方を始めました。覚悟していたこととはいえ、惨憺たる現状に改めてため息が出ましたが、お客様の笑顔を思い浮かべながら気を取り直し、泥まみれになって山のような残骸と格闘しています。
それにしても、招かれざる突然の訪問者の傍若無人ぶりには恐れ入ります。何しろ、一瞬にして平穏な雰囲気が一変してしまったからです。如何に大自然といえども、少しは人の都合を考慮してくれてもよさそうなものを!いとも簡単に土足で他人の家に入り込み、全てを破壊してしまったばかりか、長く居座るというのは明らかにルール違反です。
これは、長年自然を破壊し続けてきた人間への報復なのかもしれませんが、自然を大切にし、親しんできた面も多少は評価して欲しかったというのが本音です。ともあれ、目の前の悲しみを乗り越えなければ、未来がないという現実も受け入れなければなりません。重い課題ではありますが、とにかく第一歩を踏み出すことにしました。