ムサシの七不思議(その6)
わが家のムサシはどちらかとうと保守的で、急激な環境変化は好まないようでした。それでも時間をかければ、新しい環境に馴染もうとして努力する姿勢ははっきりとうかがい知ることができます。それは花火のこともそうですし、座布団を取り替えた時の対応からも垣間見ることができましたが、どうしても納得できないことがあります。
それは、散歩の時道路の真ん中を歩こうとする姿勢です。もちろんそんなことはさせられないので、常に万全の注意をはらいながら臨んでいましたし、しょっちゅうそうした行動をとるわけではありません。しかし、車の怖さを知らないのか、とっさの時には身をかわせるという自信があったのかは判断できませんでした。
いずれにして、交通ルールだけは受入がたかったのかもしれません。しかし、そうかと思うと、横断歩道で信号待ちをしている時は、私以上に信号に気を配り、うっかりしていて信号が変わったことをムサシに教えられるということはしばしばありました。私が思うには、ワンちゃん達の「信頼の原則」は人間にはまねのできないレベルなのかもしれません。