ムサシの七不思議(その3)
散歩名人のムサシは、家の門を出るとほんの一瞬まよったようなしぐさをして左右を見渡すことがありました。いつもですと、朝はこのコース、夕方はこちらというように、事前に散歩コースが決まっていたようなのですが、まれにこうした行動を見せることがありましたが、その時は、それが普通だと思い気にも止めませんでした。
しかし、こうした行動をとるだけの深い理由があったのではないかと思うようになりました。体調がすぐれなかったので少し短めのコースを選んだのか?その日はムサシにとって大切なイベントでもあったのか?それとも友達に会えると思い敢えてコースを変更することにしたのか?いくら考えても納得する答えは得られません。
ただ、ムサシにしてみれば、単なる迷いではなくれっきとした理由があったことは間違いありません。何故ならば、この行動に私が気付かない時は足を止めてコースの変更を要求したからです。ムサシが行きたいというのであれば、特別な理由でもない限り、その意思を尊重することにしていましたので、その時は深く考えませんでした。