松島の朝日
松島は観蘭亭など月の名勝として知られていますが、朝日もまた素晴らしいと評判になっています。朝日観賞のスポットとして有名なのが、松島町の西行戻しの松公園や東松島市の大高森といった小高い山です。特に大高森は360度見渡せる景勝地で、松島湾をはじめ太平洋、牡鹿半島、蔵王連峰まで一望できるのでお勧めです。
松島の朝日が絵に描かれるようになるなど、有名になったのは19世紀初めの江戸時代後期になってからといわれています。それまでは絵や文学、信仰に関するものとして描かれていたせいか、松島に限らず朝日はあまり登場してきませんでしたが、脚光を浴びる機会がやってきたのは、「富士山と朝日」「江戸と朝日」が描かれるようになってからです。
それ以降は、ようやく松島の朝日も日本画に登場するようになり、明治時代の銅板画や油絵、写真などに繋がってきました。元々松島の朝日は、大阪人に絶賛されたという記述もあり、当時から景色としては素晴らしいと認識されていたようです。京都祇園祭の山鉾の装飾に松島の朝日が描かれているのは、正にそれを証明するものと言えるでしょう。