鳴瀬川・吉田川
鳴瀬川は、宮城・山形県境の船形山(標高1500m)に源を発し、奥羽山系の山水を集めて東に下り、加美町の田川、花川と合流し、さらに大崎市で多田川および人工河川である新江合川を合わせて大崎平野を貫流して松山に至ります。松山を過ぎたあたりで南へ流れを変え鹿島台で北泉ケ岳(標高1253m)を源流とする右支川吉田川と併流しながら東松島市野蒜で合流して太平洋に注ぎます。
鳴瀬川・吉田川の上流には、県立自然公園に指定されている船形連邦があり、清冽な水と豊かな自然に恵まれています。中流域には、山地河川から平地河川に移行する漸移帯で、自然と田園・町並みが調和した見事な景観を呈しています。市街地に隣接する広い高水敷には、運動公園やあゆの里公園などが整備され、スポーツやイベント、レクリエーションなどの憩いの場として利用されています。
下流域は、明治時代の野蒜築港や北上・東名運河などの壮大なプロジェクト跡が残されており、広大な水面と周辺の豊かな自然環境が広がっています。また、鳴瀬川、吉田川の水源である奥羽山系には、ブナ林があり、ツキノワグマ、カモシカなど野生動物が生息していますし、河口付近にはヨシ原が広がっているため、オオタカ、カワセミ、ゲンジボタル、天然記念物のマガンなどの貴重な生物も生息しています。