ぼた餅
ぼた餅とおはぎはおなじものですが、春は牡丹、秋は萩と、季節の花にたとえて呼んだものと言われています。材料はもち米とうるち米を混ぜて炊き、すりこぎで半つきにつぶした簡単な餅です。餅をついたら近所に配る習わしがありましたが、ぼた餅は臼でつく音を近所に聞かれる心配がなく、こっそり食べられるので、「隣リ知らず」とも呼びました。
彼岸の供え物には地方によって餅、赤飯、お茶ご飯、変わりご飯、だんごなど様々でこれといった決まりがあるわけではありません。彼岸にぼた餅を食べる風習は江戸時代に定着したらしいのですが、一般的にあんに使われる小豆の赤色は古くから邪気を払うという信仰があり、祖先の供養に供することに結びついたと言われています。
その後、ぼた餅をくるむあんも、小豆だけではなく、ごま、じゅうねん、きな粉、ずんだなどその土地の産物が用いられるようになり現在に至っています。米は洗って2時間くらい水に浸けておき、ザルに上げて水を切る。釜に米と分量の水を入れて炊き、蒸してから、熱いうちにすりこぎで半つき状態につき丸め、あんをのせて形を整える。