仏様に会いに行く
《定義さんの阿弥陀如来》
「定義さん」の愛称で親しまれる定義如来 浄土宗極楽山西芳寺のご本尊は、阿弥陀如来です。「南無阿弥陀仏」と唱えれば、どんな人でも苦しみのない極楽浄土へ導いてくれるといわれる、優しい仏様。脇侍には補佐役として観音菩薩と勢至菩薩を従えて私たちを完全サポートしてくれます。壇ノ浦の戦いで敗れた平貞能がこの地に隠れ住み、安徳天皇と平氏一門を救ってくださることを祈り、阿弥陀如来を安置したのが始まりのお寺。指で輪っかをつくるポーズ(印といいます)が特徴なので、お参りの際はぜひ注目してみてください。
《瑞巌寺の観世音菩薩》
伊達家の菩提寺としても有名な、瑞巌寺のご本尊は聖観世音菩薩です。観世音菩薩は、苦しんでいる人々のために様々な姿に変身して救いの手を差し伸べてくれます。子供を救うために子供の姿になったり、女性には女性の姿でと、人間側が親しみを持って安心するような姿で現れて、私たちを助けてくれます。般若心経にも観世音菩薩の知恵について書かれているように、知恵に優れた観世音菩薩が悩む人の声に一番適した形で苦しみから解き放ってくれるのです。お釈迦様が優しい王子だった頃なので冠やアクセサリーを身につけている姿をよーく見てみてくださいね。前述したように阿弥陀如来の補佐役としても活躍します。
《三瀧山不動院の不動明王》
仙台市中心部のクリスロード商店街に鎮座する三瀧不動院は、商売繁盛の神様として仙台四郎が安置されているお寺として有名です。ご本尊の不動明王は、密教特有の仏様として大日如来が人々を救うために化身して現れた姿。大日如来とは、全宇宙を司る如来の中でも特別な存在。いわば最高位の仏様ですから、最高位の仏様の仮の姿というわけです。如来や菩薩が優しく教え諭しても言うことを聞かないひねくれものを厳しく叱りつけ、正しい道へ戻すために憤怒の表情で現れたのです。ですが、その恐い顔の下は慈悲と慈愛に満ち溢れています。人間のためにきひぞしい言葉で叱りつけ、悪いものが近づいてきた時には、手にした宝剣であなたを全力で護ってくれるのです。普段はガミガミうるさいけど、いざとなったら頼もしい、昭和のお父さんのような存在でしょうか。燃え盛る炎で煩悩を焼き尽くし、幸せな一年を過ごせるよう不動明王に願いましょう。