かきのレモンみぞれがけ
かきの「生食用」と「加熱用」は、鮮度ではなく海域の違いで区別されます。宮城を含めた三陸の漁場は沖に開けた形をしているので海水が滞留せず、とても清浄です。宮城県は、産地の9割が清浄海域。そのため、生食用かきの出荷は全国一位を誇ります。宮城県のかきは、広島さんと比べると、小ぶりですが、味が濃いと評判です。その理由は、入り組んだリアス式海岸が養殖に適しているため。海には、山から栄養豊かな河川が流れ込み、かきのエサとなる植物性プランクトンが育ちます。
さらに、暖流と寒流がぶつかる「潮目」では海底から表層に海水が湧きあがり、海底のプランクトンも攪拌されるため、エサが豊富な漁場になるのです。かきは、おいしいうえに、タンパク質やカルシウム、ビタミンなど様々な栄養成分が詰まっているため「海のミルク」と呼ばれています。これからの季節に特に嬉しい成分は、亜鉛。免疫成分を活性化させるので、風邪予防に効果的です。疲労回復や体力増進が期待できるのは、グリコーゲン。エネルギーを生み出すために必要な鉄分も含有しています。かきに含まれる亜鉛や鉄分は、ビタミンCと一緒に摂ると、吸収率がアップします。今回のレシピは、レモンを使用。揚げ焼きして煮ているので、かきが苦手な方も美味しくいただけますよ。
◎《材料4人分》
かき(加熱用):第16~小20粒、片栗粉(揚げ焼き用):大さじ6、ごま油(揚げ焼き用):大さじ3、大根おろし:小2/3~大1/2カット、おろししょうが:大さじ1、
小口ねぎ:適量、レモン:(くし切1/8)2カット
調味液
だしつゆ:おおさじ6、水:適量、砂糖:大さじ4、みりん:大さじ4
◎《作り方》
1.かきをざるに入れ、流水で洗い流し、ペーパーなどで水気を取り、片栗粉をまぶす。
2.フライパンにごま油を熱し、片栗粉をまぶしたかきを並べ、両面を揚げ焼きにする。かきに火が通ったら一度取り出す。
3.調味液の材料を混ぜ、フライパンに入れ、煮たてる。
4.煮立ったら2のかきを戻し、水気を取った大根おろし、おろししょうがを加えてひと煮たちさせ、レモン(くし切り1個分)を絞り入れる。
5.器に盛りつけ、小口ねぎをかけ、残りのレモンを添えて出来上がり。