日本料理 天野
仙台伊澤家 勝山酒造の酒を飲めば、世界の中での日本酒の現在地を知ることができる。2019年に開催された一つの世界的なコンテストで勝山酒造が誇る純米吟醸「勝山 献」と純米大吟醸「勝山 伝」がそれぞれ最高賞を獲得した。1688年(元禄元年)に創業し、伊達家の御酒御用蔵として歴史を刻んできた酒蔵が醸す日本酒が世界に認められた。地元の人間として思わず自慢したくなる。
「勝山 献」は、世界で最も権威あるとされるイギリスのワインコンテスト「インターナショナル・ワインチャレンジ(IWC)」の日本酒部門で最優秀賞の「チャンピオン・サケ」を受賞。一方の「勝山 伝」は、フランスの日本酒品評会「KURAMASTER(クラ・マスター)」で、すべてのカテゴリーの頂点となる「プレジデント賞」に輝いた。12代目蔵元の伊澤平蔵社長はこう語る。「IWCは審査員のレベルが高く、日本酒としての完成度、バランス、洗練具合が問われます。
一方のクラ・マスターはフランスのトップソムリエが審査し、ボディ感やふくよかさ、香り高さが評価されます。それぞれで最高賞を頂いたことは、世界に通じる日本酒とは何かを確認する良い機会になりました」。そんな勝山酒造の酒を絶品のコース料理とともにいただけるのが、仙台・立町にある「日本料理 天野」だ。仙台勝山館の「日本料理 醇泉」で長く料理長を務めた天野耕一さんが2018年11月にオープンさせた。「勝山のお酒は純度が高く、旨みがあり酒質が高い。素材の良さをしっかりと味わえる料理によく合います」と天野さん。世界レベルの日本酒と和食が織りなす世界を存分に味わいたい。