わかめの美味しい季節
寒さが和らいできたかと思ったら、いつのまにか春らしさを通り越して夏を感じさせる日もあるような季節になりました。この季節は、わかめが旬を迎えます。若芽は11月頃に発芽して翌年の5月から6月にかけて成熟しますが、若いほど柔らかく味もよいといわれています。塩蔵のわかめや乾燥わかめは年中販売されていますが、生わかめが食べられるのは限られた期間です。日本のわかめは、三陸産が全体の約7割を占めています。
宮城県産は葉が柔らかく甘みがあり、岩手県産は肉厚で歯応えが良いのが特徴です。料理によって、使い分けてみてください。今日は、宮城県産のわかめをつかって、和風のパスタを作ってみましょう。宮城県産は柔らかいので、パスタによく絡みます。このレシピのポイントは、油を使っていること。わかめに含まれているβカロテンは脂溶性ビタミンなので、油と一緒にとると吸収されやすくなります。今年の宮城県産わかめは、順調に収穫できているので、ぜひ味わってみてください。ミネラルもたっぷり摂れます。
宮城県産と岩手県産のわかめの違いは、養殖している系統がちがうこと、生育環境の影響から生まれます。宮城県産は比較的海流の暖かな内湾系の養殖が多く、柔らかく育ちます。岩手県産の養殖は外洋系で海流が強いため、身が引き締まり、葉に厚みが出ます。わかめは海水を吸収して育つため、多種類のミネラル類やビタミン類を含有します。まず、髪や皮膚の健康を保つヨウ素。日本人は日ごろから海藻を食べるため、不足することはほとんどないといわれています。それから、骨や歯の健康に欠かせないカルシュウムや血圧の上昇を抑制するカリウムも豊富です。脂溶性ビタミンのβカロテンは、体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の細胞を正常に保ちます。