勝山公園と勝山館
大気が澄みわたり、青空が目に染みる季節になりました。仙台市中心部と北部を結ぶ、交通の要所でもある愛宕上杉通と北四番丁角にある、勝山公園の木々もすっかり色づき始めた。少し離れた場所から公園を眺めてみると、上杉通角に鎮座するイチョウの巨木の、黄色に染まった姿がひときわ目を引く。公園全体では赤、黄、茶、紅と、いくつかの色合いが近景・遠景として折り重なって見え、まさに色彩の競演だ。長い歴史を持つ公園だけに、幹の太い木が多いのが特徴である。
地面へ降りてくる鳩の羽ばたきで、薄く積もった色とりどりの落ち葉が舞い上がり、木々の間を元気に駆け回る幼児の姿もほほえましい。子供たちの哄笑(こうしょう:高笑い)、木洩れ日が描くまだら模様の上を、時折吹きすぎる風...穏やかで幸せそうな風景である。この勝山公園と北側で接しているのが、杜の都の迎賓館「仙台勝山館」。明治時代に存在した、皇族や要人の迎賓館として使われていた施設を復活させたのが勝山館だ。ちなみに、勝山公園は大正時代に勝山酒造が市へ寄贈したものという。
館内には和洋3つの料理店が併設されていて、いずれもレベルの高い料理を提供する店として知られている。大きく縁どられたガラス越しに庭園を眺めながらランチをたのしめるのが、イタリアン・リストランテ「パドリーノ・デル・ショーザン」。伝統的なイタリアンを基本としながら、革新的で洗練されたモダン・イタリアンを提供する店だ。月に2回変わるランチ・メニューは、食材の持ち味を生かした季節の料理を味わうことができる。歴史と伝統が香る杜の庭園を目で楽しみながら、素材の旬を表現するイタリアンで舌を愉しませる至福のひととき。紅葉に彩られる庭園を眺めながら秋を満喫したい。