秋の味覚さんま
天高く馬肥ゆる秋、秋の味覚の代表格であるさんまもまた、丸々と肥ゆる季節になりました。さんまは親潮に乗って北方から南下してきます。狙いはもちろん、プランクトンの豊富な三陸沖です。8月に北海道で始まるさんま漁は、9月の声を聞くころには宮城県へやってきます。三陸沖でプランクトンをたっぷり食べて、一回り大きくなり、脂ものって状態のいいものが宮古、大船渡、気仙沼、女川、石巻、小名浜などの各港に水揚げされます。今年は日本近海の海水温が下がり、例年より漁場が近くなって、より鮮度の高いさんまがお店に並ぶ見込みです。
全国で年間消費量トップを誇る宮城県にとっては、待ちに待った季節がやってきたという感じです。さんまの食べ方は色々ありますが、生きのいいやつをジュウジュウと炭火で豪快に焼き上げ、大根おろし、レモン、醤油で味わうのが一番。レモンは、EPAやDHAの酸化を抑える役割も果たしもますし、大根おろしは、カルシウムの吸収を助けてくれるそうです。昔から、食の組み合わせは、美味しいだけでなく、体にもいい組み合わせなんですね。他にも、すり身汁や竜田揚げなども好まれます。
さんまには、今やすっかり有名になった血液サラサラのEPA、中性脂肪などを減らすDHA、ビタミンDが豊富に含まれています。また、血合いには、神経系を正常に保つビタミンB12と、粘膜を健康に保ってくれるビタミンAも含まれています。中でもビタミンB12は、他の魚に比べて非常に多く、生の魚ではNO.1です。さんまの栄養を効率よく摂取するため、ビタミンCが多く含まれる食材と一緒に食べるのがお薦めです。鮮度の良いさんまは全体的に光沢があり、背の青色が鮮やかで、黒目の周りが濁っておらず、透明で済んでいるものを選びましょう。