ボクも思わずにっこり
地元の河北新報に掲載されている四コマ漫画「ねえ、ぴよちゃん:青沼貴子作」の話題は、これまで何度か紹介させていただきましたが、登場人物(ネコちゃんも含めて)がとても愉快で、しかも優しい。今朝の物語もほのぼのとする内容でした。あらすじはこうです。主人公・ぴよちゃんの愛猫「又吉」君が、食卓の上の焼き鳥とおぼしきものの櫛を咥えてつまみ食いをしようとしているのを、お母さんが見つけ、「又吉がつまみ食いなんて珍しいわね!食べたいならお塩を洗ってあげるから待って」といって塩分を洗い流して又吉君に渡してくれました。
実は、又吉君は、それを自分で食べるのではなく、縁の下で熱を出して苦しんでいる弟分の「ハチ」に栄養をつけさせようとしてとった行動でした。ハチは兄貴の粋な計らいに感激していました。ここで表現されているのは、「又吉の弟分を思いやる優しい心」「又吉のつまみ食いを咎めようともしないお母さんの優しさ」です。文章で説明しようとすると、こんなに長ったらしくなるのに、たった四コマで表現する漫画家の力に改めて驚かされました。たぶん、作者は平和で穏やかな日常の大切さを訴えたかったのでしょう。ボクもオヤジも、ますますファンになりました。
私たちは、変化を求めながらも、変化を好まないという矛盾を常に抱えています。ボクたちも、最初は「おおい 栗之助」というワンちゃんが主人公の連載が終わってしまうことにがっかりしました。もちろん、ワンちゃんオンリーだったというわけではありませんが、今回、又吉君というネコちゃんの物語に接して、より動物に対する視野が広がった感じがします。オヤジは、「栗之助君」と「又吉君」が一緒に暮らすようにならないものか、などととりとめのないことを言い出す始末です。殺伐とした社会の中で、唯一心を洗ってくれる洗濯機のような存在に見えたからなのでしょう。