将に五危あり
孫子の九編に「将に五危あり」というのがあります。五危とは、「必死」「必生(ひっせい)」「忿速(ふんそく)」「廉潔(れんけつ)」「愛民(あいみん)」である。ここでいう「必死」とは、度胸はあるが、思考力に乏しい猪突猛進型のタイプであり、退くことを知らないので、すぐに撃沈してしまうので、リーダーとしてはいただけない。次の「必生」は、臆病で自分が生き延びることしか考えていない保身型のリーダーである。3番目の「忿速(ふんそく)」とは、あまり聞きなれない言葉ですが、短気で忍耐力がなく、相手の挑発にすぐ乗ってしまう。そして、いつも部下を怒鳴り散らし、何かにつけて部下が無能だからと人のせいにするタイプのリーダーである。
4番目の「「廉潔」は、対面を気にして、清廉潔白であろうとする性格から、人にばかにされたりすると、相手の思うつぼにはまってしまう。そのくせ、綺麗ごとばかりで、自分だけいい子になろうとする嫌らしいタイプのリーダーである。そして最後5番目の「愛民」は、仲良しクラブの典型で、情が深く、部下に対して厳しいことが言えないので、人の世話ばかりやいているため、是々非々で判断することができず、組織の役に立たないタイプのリーダーである。さて、昨日投開票が行われた衆議院議員総選挙では、これらのダメタイプの候補者には一票を投じませんでしたか?
わが家のオヤジとお母ちゃんは、結構厳しく、上記のようなタイプに当てはまらない候補者を選ぶのにいつも苦慮しているようです。もっとも、人は大なり小なり欠点があるものですから、口で言っているほど辛い評価をしているわけではありませんので、結局は消去法で、比較的ダメが少ない人を選ぶしかなかったようです。つまり、いつもと同じということです。でも、ほかの皆さんも同じような尺度で1票投を投じたのだとしたら、当選した方々は、自分はどのタイプに近いか、この際に点検してみるべきではないでしょうか。ちなみに、その際の点検用具は「踏み絵」ではなく「鏡」を使うことをお薦めします。