七ヶ宿町のソバ畑
羽州街道と奥州街道を結ぶ七ヶ宿街道(国道113号線)沿いにある、七つの宿場の一つである「湯原宿」にはソバ畑が広がっています。緑の山並みが青い空に映え、一段と透明感を増すこの季節、清涼な空気にソバの花がよく似合います。ここでソバが作り始めたのは10前のことでした。元町職員だった山田益広さんが、人口減少や後継者不足により、どんどん荒れていく七ヶ宿を復活させようと、役場を早期退職してソバ畑をつくり、蕎麦の店も開きました。
ここは、もともと田んぼだったところで、石が転がっていたり、牧場だったところは木が生えていたり、そんな土地を父が地区から借りてソバ畑に変えていったんです」と話すのは、そば屋の店長を継いだ息子の岳彦さん。今では、後継ぎがいないので、うちの田んぼもソバ畑にしてほしい」という話が寄せられ、当初12haだった畑が20haへと広がっているそうです。
ソバを作り始めてから数年後に、町役場の人が古文書もってきてくれたのですが、その中に仙台藩時代のソバ生産地として、湯原の名が載っていたんです」。冷涼な気候で育つソバが、期せずして、数百年を超えて復活したというわけです。ソバの花は、茎の先か葉の付け根にかたまって咲きます。ソバ畑には長花柱花と短花柱花があり、相互に受粉させることが必要で、毎年季節になると丸森町の養蜂園の人がミツバチを連れてやってくる。8月は白い花で楽しませてくれ、9月には実を結び、新そばシーズンの到来となります。