伊豆沼・内沼のハス
栗原市の伊豆沼・内沼は、湖上に咲き乱れるハスの花を小舟に乗って見学することで知られています。近くで見ると、その大きさや色の鮮やかさに驚かされます。小舟は湖上を縫うように進み、まさに浄土を思わせる神々しいばかりの景色が広がります。直径1mもあろうかというハスの葉の上を優雅に歩くサギ、花の回りを飛ぶシオカラトンボ、そして、周りを囲む森からはセミしぐれ、ここはまるで別天地のようです。
登米市と栗原市にまたがる伊豆沼・内沼は、湖面いっぱいにハスが咲き誇りますが、その広さは、何と東京ドーム約89個分もあり、「天然ハスが咲く湖沼では日本一の広さで、世界にも類がないということです」と話してくれたのは、伊豆沼・内沼ハスまつり実行委員会の橘平さんと狩野勝さんです。お二人ともハスまつりで小型遊覧船の船頭さんをつとめる方々です。
二人とも二代目で、お父さんたちは、この沼で寒ブナやコイ、沼エビをとる漁師だったという。「いまは農業をしていて、漁は趣味みたいなものです」。かつてハスは、沿岸近くにしか咲いていなかったそうですが、水深が中央部まで浅くなるにつれて、地下茎で湖全体へと広がっていったのだそうです。「咲き始まるのが7月中旬で、見頃は8月中旬、やっぱりお盆の花のようですよ」と話す。