御菓子司 青葉家
江戸の桜餅に対して、道明寺は京都生まれの桜餅で、皮に道明寺粉が使われていることからその名がついたのだそうですが、青葉家では仙台の餅米みやこがね粉を使用しているという。もちもちとして柔らかくしかも弾力性があり、中のあんのほどよい食感が一体となった道明寺は、ほんのりとした桜の香りと相まって、この季節には欠かせない和菓子です。
笑顔をさそう懐かしい「道明寺」を作り続けているのは、創業100年の歴史をもつ「御菓子司 青葉家」です。青葉神社の門前である通町に店舗を構えていましたが大震災で半壊したため、一昨年秋から東照宮近くに移転して営業を再開しました。「通町の青葉屋さん、ここに来たのねと寄ってくれるお客様も多いです」と話すのは、三代目の山本博也さん。
伝統の味を守るのはもちろんですが、新しい味づくりにも余念がありません。今人気の生クリーム大福や生チョコ大福、まるごとみかんゼリーも、食べる人の心をわしづかみした、老舗ならではの口幅スイーツです。山本さんの傍らでは、小学生のころから店を手伝ってきた妹の節子さんが、新作のよきアドバイザーとして、また販売面でも心強い支えとなっています。