登米の「ばっけ味噌」
登米市津山町の「道の駅津山もくもくランド」にある産地直売所「ときめき野菜」では、地元の農家が作った新鮮な野菜や花などを販売しています。春の限定商品であるフキノトウは独特のほろ苦さがあることで知られています。このフキノトウは方言で「ばっけ」と呼ばれ、これを使った「ばっけ味噌」がご飯とよく合うと親しまれています。ころころと丸く可愛らしいフキノトウで「ばっけ味噌」を作っているのは、道の駅の近くに住む池田静子さんです。
もともとは花類を仕入れて販売していましたが、豊かな山々に囲まれた津山町で昔から親しまれている味を多くの人に知ってもらいたいとの思いから、ばっけ味噌の販売を始めました。すべては池田さんの手作りで、地元の生産者が作る、甘みがあって粒が大きい「秘伝」という名前の大豆を使って手作りした味噌に、炒めたフキノトウやクルミ、青南蛮などを混ぜ、さらに、カツオや昆布のだし汁を加えて軽く炒めます。
深みのあるばっけ味噌は、フキノトウの苦みに青南蛮のぴりっとした辛さが効いていて、ご飯によく合います。湯豆腐にそのまま載せて食べてもおいしいし、焼き味噌おにぎりにしても美味しい。ばっけ味噌は素朴な味わいながらも、甘さや辛さ、食感でアクセントをつけることで、様々なバリエーションが楽しめます。山菜の旬である2月から5月ころ、土の間から顔を出すフキノトウは、宮城県北に春の訪れを告げてくれます。