鳴子温泉 湯沢川の桜並木
源泉の数が400もあり、日本中に湧き出る泉質11種うち9種類がある国内有数の鳴子温泉郷には、拠点となる鳴子地区と、閑静な山間の湯治場やリゾート地を合わせて、5つのエリアがあります。少し遅めの花見を楽しむなら、やや奥まった里の一角にある、「湯沢川の桜並木」がお薦めです。ここは、鳴子地区では春の風物詩しなっている有名なスポットです。
閑静な温泉街の中心、郵便局前の湯沢橋から南側の両岸に50本ほどのソメイヨシノが華やかに咲き競っています。その光景は圧巻で、規則正しく並ぶ木々の枝ふりが、狭い川幅を覆い、さながらピンクのトンネルのようです。足元に広がる深緑の堤とのコントラストも見事で、満開の期間中、夜はライトアップされますので、いっそう華やかで気分に満たされます。
風呂上りにファンタジックな夜桜をながめれば、感動もひとしおです。また、桜見物に向かう途中、「くるみ豆腐」のお洒落な看板を掲げた「豆腐司 遠嘉(えんか)という店が目に入ります。ショーケースに並ぶのは、ミヤギシロメ大豆を使った豆腐、くるみ豆腐、あげなど数種類だけです。「昔ながらの煮釜を使っています。沸点が高く、素材の味をいかせます」と、四代目店主の遠藤嘉則さん。ちょっと寄り道してお土産にするというのもいい。