栗之助くんの悩みに共感
ボクの相棒であるオヤジは、地元の河北新報に連載されている「おーい栗之助」という4コマ漫画の大ファンです。主な登場人物は、早くにお母さんを亡くした栗太郎君、侍だが傘梁をして生計を立てているお父さん、ワンちゃんの栗之助君、それに栗之助君の友達でカワウソのヌル君などです。
平凡だが、おだやかな日常を描いたほのぼのとした物語で、もちろんボクも大ファンです。先日掲載された一コマにこんなシーンがありました。それは、栗之助君が、「ボクは時々人間になりたいと思うときがある。それは、栗太郎君がウジウジ悩んでいるときに慰めてあげたいと思うからだ」と友達のヌル君に打ち明けたのです。ボクはいつでもオヤジと対話できるので、不便は感じませんが、それでも栗之助君の気持ちもわかるような気がします。
利発でしっかり者の栗太郎君ですが、時々お母さんのことを思い出してセンチメンタルになるのは仕方がないことです。そんな時、物語の中では、人間の言葉でつぶやいてはいるのですが、栗太郎君には言葉としては聞こえていないからなのでしょう。いっそのこと、ボクも物語に参加して、栗之助君に、人間に直接話しかけるコツを教えたいと思うくらいです。いや、しかし栗之助君の思いは、言葉以上に伝わっているところがこの物語のみそで、それこそ大きなお節介ですよね。