輪王寺の紅葉
輪王寺は、1441年に伊達持宗公が祖母の蘭庭明玉尼の菩提を弔うため、福島県梁川に創建されましたが、その後、伊達家の居城が西山、米沢,会津、岩出山へと移転しました。最終的に、政宗公が仙台城を築城したことにより、1602年に輪王寺も現在地に定まりました。墓地内には、正宗公の三男で夭折した竹松丸と政宗公の正室愛姫の母蜜乗院の墓所があります。
左右に仁王像が配された山門は1876年の北山大火の際、輪王寺で唯一焼失を免れ、仙台市の文化財にも指定されている遺構です。山門前の大きなモミジ、その先にはなだらかな参道を彩る黄色や紅に色づいた木々がみられ、登りきると三重の塔も目に入ります。そして振り返ると、仙台の街並みが一望できます。市街地からそれほど離れていない場所にありながら、ここはまるで別世界のような佇まいです。
本堂周辺や池泉回遊式の禅庭園内には、葉の形や枝ぶりが違う種々のモミジが点在し、美しい姿を見せてくれます。また、本堂の東側には、珍しいロバ舎があり、リンリン、ノンノン、ジンジンという名のロバが飼育されています。広い境内をゆっくりと散策し、秋の錦を満喫したり、ちょっと足を止めてロバの家族とコミュニケーションをとってみるのも楽しいかもしれませんね。