村田町布袋まつり
蔵の町で知られる仙南の小京都村田町では、10月の体育の日の前日に「布袋まつり」が開催されます。この祭りは、800年の伝統を誇るもので、山車の上に乗った2m余りもある巨大な布袋人形が、笛や太鼓に合わせて踊る、村田町の代表的な郷土芸能です。この祭りは布袋和尚の徳を慕って、京都の山車まつりを参考にして生まれたものと言われています。
その特徴は布袋囃子の笛の音です。奏でる曲は「一の谷の合戦」で討ち死にした平家の若武者・平敦盛が「青葉の笛」で吹いていた曲だということです。壇ノ浦に沈んだ平家一門のうち、東北に逃れた若武者たちの姿に心打たれた村人たちが、平家ゆかりの笛の音を祭に取り入れて伝承してきました。江戸時代になると、囃子の太鼓も加わり、仮装して踊るようになりました。
それが享保の頃(1770年代初期)に現在のような布袋人形に変わり、町内を練り歩くようになったといわれています。この郷土色豊かな伝統芸能は村田町の秋を彩る風物詩として町民に親しまれ、大勢の見物客で賑わいます。この祭りの「布袋様」は、どちらかというと「福禄寿」に近いのではないか?とよくいわれるそうですが、村田町では、頭が長いのが布袋様ということです。