不思議な気分
先日の日曜日、いつもより少し早めに散歩に出たところ、ばったりコロ君に出くわしました。出くわしたというのは、塀に囲まれた交差点で突然目に入ったからです。考えてみると、コロ君と出会うときは大抵とおく離れたところで見つけ、駆け寄ってきてくれることが多かったような気がするからです。ともあれ、まずは元気で何よりなので一安心といったところでした。
お父さんの話によると、コロ君は左目が失明したということで、右目もかろうじて見える程度だという。それでも日課の散歩は欠かさないということですが、夜はさすがに不安そうにしているそうです。その話を聞いていたムサシは、自分が衰えを感じ始めたころと重なったのか、涙を流して愛おしそうにコロ君を見つめていました。それでもムサシは、決して早くこっちにおいでとは言いませんでした。
コロ君は私とムサシが知っているワンちゃんの中では、いまや最年長ということになりますが、いつまでも元気でいてもらいたいという思いは一緒で、分かれた後、散歩を続けながらムサシとコロ君の若いころの話で盛り上がりました。遠くから私たちを見つけ、全速力で駆け寄ってくるコロ君の姿はとても感動的でしたから、これからも是非そうあってほしいと願う気持ちと、ゆったりと過ごしてほしいという気持ちが錯綜した不思議な気持ちになりました。