伊達冠石物語(その2)
伊達冠石の採石場である大倉山は、白石市と丸森町にまたがった位置にある山です。この山では、昭和30年代から40年代にかけて、盛んに石が切り出され、当時一番石が採れた丁場の跡地には、ストーンサークルが設置されています。採石場の跡地緑化工事を創作的な作業として置きかえ、採石が終了した地域から順次「山全体の造形」を意識した作業に取り組んでいるのだそうです。
2000年には、採石するために掘削した崖を埋戻し、「水場の風景」として再生させたりしています。採石開始から50余年になりますが、柱状節理の岩層から様々な形をした自然石が採掘されます。形や色がとても美しく感じられます。また、採石場の景色も素晴らしく、冬は雪化粧、春には木々が芽吹き、夏には緑陰を感じ、秋には落葉樹の見事な紅葉など、四季折々の顔を見せてくれます。
伊達冠石の鏡面は5年から10年で深い鉄錆色に変化し、時が経つにつれて上品な色合いを醸し出します。石全体に含まれている鉄分が空気に触れると、歳と共に酸化鉄となり、鉄錆色を呈してきますが、一定の色になると、それ以上変化することはないようです。錆色になっても艶落ちがしないのが伊達冠石の大きな特徴で、大きな魅力の一つと言われています。