瑞鳳殿の「臥龍梅」
仙台藩祖伊達正宗の墓所である瑞鳳殿は、約7haの豊かな森を抱える経ケ峯公園の中にあります。一帯は藩政時代から霊域として守られてきた歴史があり、1637年の墓所の造営の際に植林された樹齢370年以上と推定される参道の杉の木立のように、昔ながらの自然を今もとどめている貴重な場所です。そこには、正宗公ゆかりの梅の木「臥龍梅」をはじめ、八重桜や山桜などがあります。
なかでも、4月中旬に開花し、下旬頃に見頃を迎える「臥龍梅」は、伊達正宗公が朝鮮出兵の際に持ち帰った梅の木から、取り木した由緒あるものとして知られています。第二次大戦の戦火で焼失してしまった瑞鳳殿の再建を祈念し、1978年に植樹されたもので、瑞鳳殿の手前に2本あり、薄いピンクの花を咲かせ、霊屋建築の美しさをより一層際立たせます。
ここは、標高70mの小高い山にあるためか、市街地よりもやや遅れて花が咲きます。また、様々な動物も生息していて、本格的に暖かくなると、ニホンリスの姿も見られることもあります。ドングリなどの落葉広葉樹の枝を動き回っていたりするのを目にすることもあります。市中心部からほど近い位置にありながら、多彩な動植物が見られ、杜の都らしい豊かな風景に出会えるところです。