たちばなの「仙台づけ丼」
仙台・宮城の新名物丼である「仙台づけ丼」は、マグロ、ヒラメ、アジ、タイ、ホタテ、タコ、カキ、イクラなど旬の魚介類を中心に常時12種類ほどのネタがのった杜の都の丼です。ネタを長時間漬け込む江戸前のヅケと違って、新鮮なネタにさっとタレをまぶすのが仙台流。仙台味噌を隠し味に使ったづけタレは、ネタそれぞれの持ち味を際だたせ、甘みと旨みを深める優れものです。
5年前に、寿司組合が総力をあげて誕生させた「仙台づけ丼」の中にあって、売上ナンバーワンを誇っていたのがたちばなのづけ丼です。しかし、2011年の東日本大震災の後は、地場の魚が入らず、次第に扱う店が減ってしまいました。この現状を打開し、沿岸漁業を盛り立てようと動き出したのが、たちばなの相沢直哉さんでした。昨年秋から宮城県の寿司組合の店主たちを対象に「仙台づけ丼」の講習会を開いているという。
評判は上々で、この春には100店舗ほどが一気に「仙台づけ丼」を出すまでになりました。宮城県はご承知のように全国でも有数の水産県です。その上、米どころでもあるという食材にも恵まれた環境にあり、日本の寿司どころとして発信する資格は整っています。2020年の東京オリンピックを目指し、世界に向けて宮城の寿司をアピールするという意気込みで、相沢さんたちは「仙台づけ丼」に取り組んでいます。