みやぎの海藻
海藻は先史時代には塩分補給に欠かせない食材でした。その後も時代ごとに租税や戦時食、飢饉に備えた救荒食などとして役割を果たしてきました。宮城県は牡鹿半島以北がリアス式海岸で岩礁が多く海藻類の宝庫となっています。コンブ、ワカメをはじめ、フノリ、岩ノリ、ヒジキ、マツモ、ツノマタなど、冬から夏にかけて海藻採りは最盛期を迎えます。
海藻採りは主に女性の仕事とされていましたが、冬の岩場での作業は厳しいものでした。ワカメ、コンブは昭和28年に女川湾で日本初の養殖が行われました。三陸海岸は寒流と暖流が交わるため、水温や栄養分などワカメの養殖に適した自然条件がそろい、質のいいものが出荷されています。養殖ワカメの生産量は昭和40年代から急速に伸びてきていました。
天然コンブの生息南眼は、宮城県といわれておりますが、やはり昭和40年代から養殖技術の普及により、気仙沼湾、松島湾を中心に生産量が増えています。宮城県のマコンブは、葉が柔らかく、煮物やおでん、すきこんぶに適しています。養殖生産の海藻類は飛躍的に伸びている一方で、天然の海藻類は海水の汚染などで激減しつつある中、大震災に見舞われました。