正月三が日のごちそう(その1)
正月三が日とは、元日から三日までのことを言うが、最近の若い人はあまり使わなくなった言い方です。その昔、元日の早朝には家族そろって村の八幡様や氏神様にお参りし、その後、年男は、大晦日に用意しておいた若水を汲み、それを使って朝食を準備したという。元日の朝は餅を食べるところが多く、お正月の餅といえばなんといっても飴餅と雑煮です。
そして、あんこ餅、納豆餅、しょうが餅、おろし餅、えび餅などがあり、県北一帯は特に種類が多い。名取市ではあんこ餅は仏様に、雑煮は神様にお供えするところもあります。おかずはというと、正月前に作りおいた正月煮しめ、ごぼういり、柿なます、黒豆などでした。フナの甘露煮、するめの煮物、焼きガレイ、ナメタの煮つけ、アユの粕漬けなど一、二品の魚を膳にのせるところもあります。
朝食に餅を食べるところは昼食抜きで、各自で豆餅とか干し柿、栗などを食べ、早めに夕食をとりました。丸森地方では、元日の朝食はご飯で、昼は餅が多かった。二日の朝食はとろろめしが多い。一方、県北の大崎、遠田、玉造地方では、「かけそめ」と呼ぶばれるとろろがあります。その年に初めてご飯に何かをかけて食べるという意味なのでしょうね。