何とも悲しい世の中
せっかく仲良しになれたカイ(海)君ですが、なかなか会うことができません。私が朝に散歩しているとき、お父さんを近くの工場で見かけるので、カイ君の散歩の時間を再度聞いてみました。すると、彼は毛が黒いうえ体が大きいのでよその人から怖がられるため、人通りの少ない朝の5時ごろや夕方暗くなってから散歩するようにしているというのです。
そういえば、わが家のムサシも、最初の頃は、「土佐犬ですか」などと聞かれたこともありましたが、特にこわがれたという記憶はありません。カイ君もムサシと同じように優しい顔立ちなので、怖いと思う心情は理解できませんが、自分もかつては犬嫌いであったことを思えば、それがおかしいなどとは言える立場ではありませんが、とても残念なことです。
このような人間の偏見について、ムサシ達ワンちゃんはどう思っているのかと尋ねたところ、人間社会で生きていくためには、人を信用しなければ生きられない。しかし、決して油断してはいけないと肝に銘じてきたという。相棒にそんな思いをさせている自分が情けないと思いながらも、悲しい世の中で生きていくための処世術は、見習うべきだと感じました。