鳴子漆器
鳴子漆器の歴史は古く、350年以上も前の寛永年間に始められたと伝えられています。当時岩出山3代城主伊達正敏が、塗師の田村卯兵衛と蒔絵師の菊田三蔵を京に派遣して修行させ、鳴子漆器の振興を図ったとされています。安永2年(1773年)の「鳴子村風土記書出」に塗物、箸、楊枝などの産物が記載されており、当時から鳴子の主産物であったようです。
また、文化2年(1805年)の「漆出高記」には、漆の採取が行われていたことが記されています。鳴子漆器は、茶櫃、茶托、菓子器、銘々皿、丸盆、硯箱、花瓶、サラダボール、などが主なものですが、その特徴は、木目を生かした木地呂塗りやふき漆仕上げ、独特の黒流し技法の竜文塗りがあり、伝統的な独特の塗立技術により、しっとりとした美しさがあります。
さらに、中塗りを施した後、蒔絵による加飾をする場合もあります。鳴子漆器は丈夫で使いやすいとして、日用生活用品としても人気があります。毎年9月の第1週の土曜日には、職人の技術向上と販路拡大のため、鳴子漆器展を開催しています。また、JAPANブランド育成支援事業において、木地玩具(鳴子こけし)と鳴子漆器の融合による新しい取り組みを開始しています。