はやせ鮎の焼びたし
中新田は鳴瀬川を中心に幾つもの支流があり、鮎やイワナ、ヤマメなどが獲れる町として知られています。この中新田で鮎の養殖を手掛けているのが、有限会社宮城鮎工房の新田文記さんです。新田さんの養殖方法は「はやせ鮎」というやり方で、池の中の水流を早くし、身の締まったスマートで天然の鮎に近いものを生産することができるのだそうです。
鮎を始めとする川魚は、一般の家庭では中々食べなくなってきているので、消費量は年々減っているということです。その原因は、小骨が多いことと川魚特有の臭みにあるようです。ただ、香ばしく焼けた皮目のパリパリ感が堪らないというフアンも多いため、今回は、時間のない現代人に代わって調理した「はやせ鮎の焼びたし」という料理を紹介します。
鮎は頭と内臓を取り、水洗いした後三枚におろします。薄塩をあて、アミノ酸の多い古酒をスプーンで振りかけます。金串に刺して天日で2時間ほど干して水分を抜くと、旨みが凝縮されます。これを皮目がパリッとするように炙ります。そして熱いうちにちぎり、小鉢に盛り付け、この上に針状に刻んだ大根や人参、三つ葉、貝割などを載せます。鰹節と昆布のだし汁を沸かして野菜の上にかけ、アクセントに胡椒をかければ出来上がりです。