ムサシの年輪
私たちとムサシの間には、最早時間という観念は存在しません。お互いに年などは全く気にせず、昔のままの姿で気兼ねなく付き合えるからなのでしょう。ところが、ふとした瞬間に翁のような年輪を感じることがあります。それは、孫たちの成長を目の当たりにした時です。今年中学1年生になった孫が、身長が165cmになったのを見てそう感じました。
つい先日、卒業式を迎えたばかりで、着物姿を見せに来たばかりだったのに、昨日、塩釜の港まつりを見に来た姿を見ると、また数センチ背が高くなっているのが解ります。さすがのムサシも、孫たちの成長の速さには驚きを隠せないようです。それでも、どこか誇らしげで、その顔はまるで翁のように見え、ハッとしたのは私だけではなかったようです。
孫たちが成長していく姿を見るのは楽しみですが、ムサシの穏やかの表情を見るのもまた楽しみです。普段は私の相棒として、何かと難しい話に付き合ってくれていますが、家族をいつも見守ってくれていることもよく解ります。そのことは孫たちにも伝わっているらしく、ムサシのことをよく話題にしてくれるので、こうした雰囲気に浸ることができるのでしょう。