はらこめし
宮城県内には北上川、鳴瀬川、阿武隈川、気仙沼の大川など大小の河川があり、秋になるとサケが産卵のために遡上してきます。真冬に孵化した幼魚が春に海へ下って太平洋を回遊し、北の海で3年から4年かけて親になり、生まれた川に戻ってきます。宮城県は、サケ類(白サケ類)では全国でも常に上位にランクされるほどの漁獲量を誇っています。
また、百年以上前から人工ふ化放流事業に取り組み、サケを守り育ててきたという歴史があり、増殖と資源保護に努力してきました。昔は、川サケはサケノウと呼び、大きな木桶に塩漬けし、塩引き(荒巻鮭)にしていました。ハラコも塩漬けにして、かめに貯蔵しておき正月の雑煮の上盛のほか、大根なますや熱々のご飯に乗せていただいていました。
地方によっては、みそ汁に入れるなど、素朴で手間をかけない食べ方が一般的だったようです。はらこめしは、藩主の伊達政宗公が貞山運河工事の視察を行った際、亘理・荒浜の漁師が献上したのが始まりと伝えられています。シンプルですが色鮮やかで、目も楽しませてくれる郷土料理なのですが、ハラコの扱い方にはちょっとしたコツがいるようです。