鹽竈桜の季節
春になると、鹽竈神社の境内は約30種類もの桜が次々に淡い色を付け始めます。少し遅れて鹽竈桜が可憐な花を咲かせ、神社の境内は華やかな雰囲気に包まれます。塩釜や松島は、景勝の地としていにしえの昔から知られ、多くの和歌に歌われています。塩釜湾から松島湾にかけて点在する遺跡からは、先史時代から平安時代の製塩土器が多数出土しています。
この辺りが太古の昔から人々の暮らしに欠かせない聖地であったことが窺われます。その中心にあるのが鹽竈神社ということなのでしょう。塩の生産地に鎮座する陸奥国一宮・東北総鎮守として長く崇敬されてきたことの意味が解るような気がします。色々と謎が多いといわれている鹽竃神社ですが、現在でも塩釜の人々の元気の源として親しまれています。
鹽竈神社では、年間60もの祭典が行われますが、そのなかで代表的な祭りといえば3月の帆手祭、4月第4日曜日に行われる花まつり、そして7月の塩竈みなと祭りでしょう。いずれも、重さ1トンの神輿の渡御は圧巻ですが、特に、花まつりには、40から60枚の化弁を持つ八重の鹽竈桜もちょうど見ごろを迎え、文字どおり花まつりに華を添えてくれます。