手打ちそば今野屋
創業昭和元年という老舗のそば屋「手打ちそば今野屋」が、明治ロマンが香る登米町にあります。山形でそばの修業をしたという現在の店主である今野秀一さんは3代目です。人気メニューは「日高見そば1号」で、日高見牛入りの手打ちもりそばですが、あっさりとした脂身とやわらかで香ばしい地元ブランドの日高見牛が入ったつけ汁がついています。
古代日本では、東方文化圏として日高見が存在しましたが、北上川流域の登米地方もその一画であると伝えられています。その日高見の名を冠した肉のうまみがそばと絡み、奥深い味わいです。店主によると、このようなそばと牛肉の食べ方は業界では初めてではないかということです。清潔感が漂う佇まいでそばをゆったりと味わうのはたまりません。
北海道産石臼挽そば粉を使ったそばは、春夏は咽ごしを、秋冬は香りを重視して、挽き方の異なるそば粉の調合を変えながら、丹精込めて打っています。そのため、太さも季節によって、微妙なレベルで変えていまいが、もちろん見た目には殆ど解りません。初代が日本橋の料亭の指南を仰いでだしたというつゆが抜群の美味しさで、まさに老舗の味です。