縮みほうれん草
霜や雪で厳しい寒さにさらされることにより、ほうれん草は自分の身を守るため肉厚になり、葉の表面に縮んだようなしわができます。さらに寒くなると凍結を防ぐために水分を減らし、糖度を蓄えていくという方法「寒締め栽培」で育てられる縮みほうれん草は、一般のほうれん草とは違って地面に張り付くように平べったい姿になるのが特徴です。
寒さが増す2月には糖度も増しメロンと同じくらいの14度以上になることもあるそうです。昨年は、東日本大震災で畑が津波をかぶったため、納得のいくものができませんでしたが、ボランティアの活躍もあり、今年は震災前の品質に戻ったということです。その縮ほうれん草は、普通の「お浸し」にして食べても甘みがあり、十分に美味くいただけます。
でも、プロの手により調理されると更に美味しい「縮みほうれん草の松前浸し」という料理になります。縮ほうれん草を沸騰したお湯で塩ゆでして氷水で冷やします。水を絞って3cm幅に切り、鰹出し汁に刻み昆布と酒盗(鰹の胃の塩辛)適量を入れてほうれん草を合わせます。昆布のぬめりとほうれん草が一体感を醸し出し、酒盗がアクセントになります。