白山神社
仙台市若林区木の下にある白山神社は、天平13年(741年)に創建され、陸奥国分寺の鎮守と地主守護としてこの地へ鎮座したと伝えられています。その後、奈良、平安と時代が下るにつれ徐々に荒廃が進み、源頼朝の奥州征伐の際、国分寺とともに戦火で焼失してしまいました。戦国時代には、この地の領主だった国分氏の氏神として復興しました。
近世に入り伊達政宗が仙台に入ると陸奥国分寺を崇敬社として庇護され、薬師堂や仁王門など再建されました。白山神社は、伊達家二代藩主伊達忠宗が寛永17年(1640年)に再建したもので、宮城県指定有形文化財となっています。本殿は一間社流造、屋根は元々栩葺でしたが、伊達藩が造営した江戸時代初期以降は、柿葺(こけらぶき)となりました。
主祭神は菊理姫命で、伊弉諾尊(いざなぎのみとこ)と伊弉冉尊も祭られています。菊理姫命は、山岳信仰の盛んな加賀の白山比咩神(はくさんひめのかみ)と同一の神とされ、伊弉諾尊、伊弉冉尊が争った時に仲を取り持ったという説話があり、縁結びの神とも言われています。素木造の小さな神社ですが、仙台の神社建築の原点ともいえる佇まいです。