みやぎのアワビ
アワビの種類は世界で90種類あるといわれていますが、日本ではエゾアワビ、クロアワビ、マダカアワビ、メガイアワビの4種類を一括してアワビと呼んでいます。宮城の海で採れるのは、そのうち最も美味しいといわれている「エゾアワビ」で、上品な磯の香りと、やわらかな歯ごたえは、三陸の海を代表する味です。刺身、蒸し物、焼物が特に美味しい。
また、肝は「としろ」と呼ばれ塩辛、酢のものなどにして、食通に珍重されていますが、高価なため密猟が絶えないのが悩みでもあります。アワビはミミガイ科に属する巻貝の仲間ですが、殆どまいた部分がないのが特徴ですが、二枚貝ではないため殻は片側だけなので、「磯のアワビの片思い」などという言葉に利用されていることでもお馴染みです。
エゾアワビの旬は陽春から盛夏にかけてですが、他の種類は秋から冬です。特に日本料理では、夏の味覚として珍重されています。料理法としては、上記のようなシンプルなものほかに、水貝、酒蒸し、貝焼き、ステ―キ、コキール、マリネなど現在では和食だけではなく、洋食にも幅広く利用されています。濃厚なコクとあじ、歯ごたえはたまりません。