色麻町かっぱ伝説
あるとき河童(かっぱ)が、お姫様に人目惚れをしてしまいました。姫の気をひきたくて、河童は毎晩、館にかよい、生きた魚や青いキュウリを置いていきました。しかし、姫は河童が自分に嫌がらせをしていると思い込み、気味が悪く、眠れない夜を過ごしていました。この伝えを聞いた、若侍が「よし、わしが河童を退治してくれよう。」と姫の着物をつけて館で待ち構えていました。
そんなこととは知らずに、お姫様に会いたくて、館に忍び込んできた河童は、その夜若侍に片腕をすっぽり、切りおとされてしまいました。さあーたいへん。河童は「腕を返してくれ、返してくれたらお姫様に近よることはしませんから。」と、腕の痛さをこらえながら、一心にたのむのでした。若侍は、「切られた腕を返せとは?」と不思議に思い、問いただしました。
すると、河童は河童膏(かっはこう)という軟膏があり、それを塗ると、どんなものでも、瞬時にくっつくというのです。そこで若侍は、腕と河童膏を交換したのでした。この河童膏のおかげで、若侍は、戦いで傷を負っても、すぐに治り、たくさんの手柄を立てることができました。また、好きあっている恋人どうしが、河童膏を塗ると二人は、決して離れることなく、結ばれるともいわれ、縁結びの薬でもあるそうです。(色麻町社会教育課:かっぱ伝説)より。